休日、イベント広場でフリーマーケット。不用品を売ってお家はすっきりお財布がっちり。一石二鳥ですよね!
だけど、不用品を売る・・・?
それって「古物商」じゃないの?
だったら、届け出をしないといけないんじゃないの?
結論から言います。
いわゆる「普通の」「年数回程度」のフリーマーケット参加には「古物商営業許可」は不要です!
- 古物商の営業許可が必要になる場合とは
- 「古物」ってなんのことを指すのでしょう
- もし営業許可を取らなかったら?
- お仕事として取り組もうと決心したら!
- 付記)平成30年の古物営業法改正で、既存の許可業者も届出が必要になりました
古物商の営業許可が必要になる場合とは
「古物商営業」には届出が必要ということは、すでにみなさまご存知だと思います。では、古物商「営業」とは?
営業とは、「営利目的で反復継続して行うこと」。個人同士での、数回だけの売買などは「営業」とは考えられません。
となると、「普通のフリーマーケット」なら営業許可はいらないということですね。
同様に、同行者が行けなくなった映画のチケットやコンサートのチケットを個人レベルで取引する場合には、古物商の営業許可は不要です。自分で使うための売買なら許可はいらないと覚えておいてください。
また、古物を売るだけの場合、自分の売った物品を売った相手から買い戻す行為も「営業」にはなりません。
そして、営業許可が必要になるのは、お仕事として、何度も繰り返し行う場合です。具体的には以下になります。
- 古物を売買・交換、委託を受けて売買・交換する営業
- 古物市場を経営する営業
- 古物の売買をしようとするもののあっせんを競りの方法により行う営業(インターネットのオークションはこれですが、これも個人が数回だけ行うものは営業になりません)
ですので、例えばカフェで絵本の古本を置いて、気に入った方には買っていただく場合はもちろん、フリーマーケットには定期的に参加するような方で、自分のものだけではなく、他の方から委託を受けて参加する場合には「古物商」の届けが必要になる可能性が高いです。
古物ってなんのことを指すのでしょう
では、古物とはなんでしょう。
1度使用されたもの、もしくは、使用されていなくてもこれから使用するために取引されたもの、そしてそのものに幾分の手入れをしたものが古物に当たります。
全く別の用途にする場合は古物には当たりません。なので、収集のための切手の取引は古物営業ではないのです。
というのは、そもそも、なぜ古物商の営業に許可が必要なのかというと、盗品の売捌きを防ぐためだからなのです。古物の除外規定の中には「大型の船舶」や「航空機」「鉄道車両」があるのですが、これは簡単に盗むことも、さらにそれを売買のルートに乗せることも容易ではないからなのですね。
盗品売買で利益を出すことは社会的に許されないことです。一般の業者さんがそれを疑われないために、古物商の許可制度があるのです。
もし営業許可を取らなかったら
知らなかった、あるいは知っていても「面倒だ」「他の人もやっている」などの理由で営業許可を取らずに営業をしていた場合の罰則は、結構重いものです。
- 3年以下の懲役(!)
- 100万円以下の罰金(!)
- 場合によっては両方(!)
そして、この処罰をされてしまったら、その後5年間は古物商の許可が取れなくなります。もし、今までフリマで頑張ってきたあなたのスキルをお仕事にしよう、という思いを形にする日が遠くなってしまうのですね。「今まで何もなかったから」と安心してしまわないで、もし気になる場合は確認をされること、許可を取得することをお考え下さい。
お仕事として取り組もうと決心したら
古物商の営業許可の取得にかかる費用です。
- 申請の手数料 19,000円
- 住民票や身分証明書の取得の費用(一通につき300〜450円程度)
必要な書類は、警察署のHPにあります。
提出する場所は、警察署によって違うかもしれませんが、仙台市内だと「生活安全課」になるとのことです。提出してから審査があり、40日以内に結果が通知されます。
もしもこれらの手続きを行政書士などに依頼した場合は別途報酬が必要になります。50,000円程度が多いようです。
さて、古物商の許可を得たら、本格的にお仕事ということになりますよね。その場合、税務署に開業届を提出して、確定申告は青色申告になさってください。お勤めの方は会社がそういった手続きをしてくれますが、個人事業主はそれも自分で行わないとなりません。
そして、古物商は許可を得たらそれでおしまいというわけではなく、営業している間は行わなくてはならないことがあります。
- 買取時の本人確認義務 買い取りをするときに、相手の住所氏名職業や年齢を確認することです。ブックオフなどで本を売るときにいろいろ書いて、免許証を出したりしますよね、あれをやってもらうイメージです。
- 取引の記録をつける 古物の売買のたびに台帳に記録をつけ、それを3年間保存します。対象となる物品は決められています。
- 不正品の申告義務 品物を買い取る時、「あれ?これは盗品?」など思われる場合には「直ちに」警察に届ける必要があります
その他法令遵守はいうまでもないことで、これらは警察署から説明をしてもらうことになります。
いまやインターネットのフリマのアプリが大人気で、「自分でもお小遣い稼ぎができるかも」と思う方も少なくありません。それと同時に実際のフリーマーケットは一時期より減ってきた印象はありますが、それでも人と人とのコミュニケーションが好き、実際に品物を見ないと買いたくない、やっぱりお祭りみたいなあの雰囲気が好き、などなど、フリーマーケットには根強い人気があるようです。
付記)平成30年の古物営業法改正で、既存の許可業者も届出が必要になりました
2018年10月24日から二年以内に、すでに古物商の許可を受けている業者でも「主たる営業所の届出」の義務が新たに課せられることになりました。
これは、この期間をすぎて届出がないと「古物商営業許可」が失効してしまいます。そのまま気がつかずに営業をしていたら、「もし営業許可を取らなかったら」でお話ししたような処分を受けてしまいます。どうぞご注意ください。
古物商営業許可は、ご自身でされる方が多いのですが、その場合こういった法改正についてうっかり見落としてしまう可能性もあります。私もたまたま入った個人事業の古本屋でこのお話をしたらご存知なかったことがありました。そういった先々のフォローもさせていただけるのが、外部に依頼するメリットなのかと考えています。
その気になって考えてみると、細かい要件や、自分のケースはどうなの?といろいろ気になる点が出てくるものです。思っても見ないことがとても重要なポイントだったりすることも。そんな時にぜひ行政書士へのご相談もなさってください。
お問い合わせはこちらです。どうぞお気軽に。